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長年燻っている想いからその時々の萌えまで。
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久しぶりすぎる黄泉蔵更新。
前回から進展がないですが…さらに言うと続き?があるのですが…
つぎで一先ず終わりというか、落ちがつくはず。

【抱擁2】

視力がなくなって、もうあれに惑わされることはないと思った。
なのに惹かれるのは、脳裏に過る美しい残像のせいか。

今では匂い妖気も、視覚以外で捉えられるものも全て以前とは異なるのに。
背後から抱き寄せた身体の、力加減を誤れば潰れてしまいそうな柔らかさ。
頬で感じる長い髪も、以前と違い癖がある。
でも、纏う花の香りと動じない精神は、きっとあの頃と変わらない。
「ずっと、こうしたかった」
そっと耳元に吹き込む。
蔵馬が抗わないことに気をよくして、黄泉は腕の中の身体を反転させた。
そうしたところで今の黄泉には、蔵馬の顔が見えるわけではない。
なぞるようにその表情を掌で探る。
ああ、きっと蔵馬は今、冷めた瞳で自分を見ているだろう。
そう思って、黄泉は笑い出したくなった。
「こう出来るのもお前のおかげだな。昔のお前だったら、瞬殺だ」
「皮肉か?」
冷たい台詞にも、感じるのはふつふつと湧き上がる喜びだけだ。

どんなに姿が変わっても。
愛したものは変わっていない。
これからも彼は変わらないだろう。
これからも、彼は黄泉を冷めた瞳でしか見ないだろう。
だが黄泉は元より、蔵馬の愛など欲しいとは思っていない。

蔵馬の気持ちなど関係ない。
自分は本能のまま奪うだけ。
決して逃がしはしない。

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プロフィール
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kao
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非公開
職業:
秘書ときどき旅人
自己紹介:
PH・青祓・幽白・炎ミラ・その他ジャンルいろいろ。
長年燻っている想いからその時々の、萌えの欠片を集めました。
更新は自由気まま。リンクは同人サイトに限りフリーです。貼るも剥がすもご自由に★
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