長年燻っている想いからその時々の萌えまで。
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ちょっと久しぶりになってしまったレイブレ小話です。
『ポケットの中に詰めた過去よりも』 かさり、包み紙が音を立てて、その存在を手のひらで確かめる。 ひとつ、ふたつ、みっつ 常にポケットに三つ入れている飴玉は、もうどれだけそこに携帯しているだろう。 奴が帰ってきたときに与えるためにと持ち続けた飴の出番はまだしばらく無さそうだ。 ポケットから出した飴は表面が少し溶けてしまったのか、ぐにゃりとしていた。 さすがに食べてしまうかと包みを開けば、セロファンにねとりとまとわりついた飴が糸を引いた。 ぺたり、指に絡み付く飴をどうにか口に運べば、口腔に広がった甘味。 それが記憶の中の味と重なり顔をしかめた。 私は甘いものは好きだが、飴は滅多に食べない。 口に長く残る甘味は奴を思い起こさせるから。 一つ口にすれば、ほら、あと少し、もう一つ、と際限がなくなる。 卓上にはすでに三枚の残骸。 棚に残る飴を求めて立ち上がり、だいぶ中身の減った缶にこのうちの何割を自分で食べたのかと考える。 カロン。 また一つ、口に含んだ球体を舌で追いかけた。 …それは、口付けたときの味と同じで。 惜し気もなく噛み砕く奴と違い、いつまでもその味を追い続ける自分が嫌いだった。 PR |
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プロフィール
HN:
kao
性別:
非公開
職業:
秘書ときどき旅人
自己紹介:
PH・青祓・幽白・炎ミラ・その他ジャンルいろいろ。
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