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長年燻っている想いからその時々の萌えまで。
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連日ひどい暑さらしいですがオフィスから一歩も出ないので日中のことがわからないkaoです、こんばんは。
もともとブレイクさんが好きではまったレイブレですが、最近レイムさんが好きすぎて困っています。
どうしましょう?(どうもできないw)
そんなこんなで若レイムさん妄想が高じました。
20~21才くらいのレイムさんネタです。
連載中の10のお題にはないタイトルですが、同設定で書きましたので番外として収録。
いいかげん本編をあげたいのですが、書き進んでいるものの色々迷い多き年頃です。

※注意※レイムさんが他の人と付き合っていた過去ありですが、どこまで行ってもレイブレ話です。
OKの方のみ、続きからそうぞ↓
 



『いくつ夜を越えれば』(10のお題番外)



腫れた頬に氷水で冷やした布を当てれば、物が触れるそれだけの刺激すらも痛むらしく顔を歪めるレイムさん。
いつもならその頬を彩るのは紅葉形の痕なのだが、今回はいったいどれだけの恨みを込められたのか。
腫れてふくれる頬を見やり、これは紫に変色するなぁと思った。
思い切り殴られ、倒れた拍子に頭を打ち脳震盪を起こしたレイムさんが部屋に運ばれたと聞いて、からかいにやってくれば思いの外沈んでいる彼。
品行方正で知られるはずの彼が、しかしこんな事件を起こしたのは実はこれが初めてではなく、また二度や三度のことでもない。
勝手知ったるレイムさんの部屋で、私は薬箱から薬とガーゼを取り出した。
彼は内勤のはずなのに、こうやって治療をするのももう片手じゃ足りない。
「らしくないんですよ、気の強い子ばかりと付き合って。今度は一体どんな別れ方をしたんですカ?」
「……」
実直な性格からそれなりに女性にもてるのに、彼が選ぶのはいつも奔放な美人ばかりだった。
「君にはもっと、穏やかな子が似合うと思うんですけどネェ」
「……」
「ほら、一回だけ、性格のいい子が居たじゃないですカ」
「……」
痛み止め成分の入った薬を塗ってやりながら諭すも、虫の居所が悪いのか彼は無言のままだ。
大きなお世話だと書いてある顔。私だって他人の恋路に口を出すなんてしたくない。
ただ、長年の付き合いの彼に。唯一の友人である彼には。やはり幸せになってもらいたいのだ。
「しかも、何で毎回修羅場なんですカ。せめてもっと上手に別れなさいよ」
そう。こんな風に殴られたりせず、別れ際さえ綺麗にしてくれれば、こんな個人的な問題に口を出すことは一つもないのだ。
それなのに。
「…やっぱり違う、と思ったから、正直に言っただけだ」
これだけ系統の似た女性と付き合ってきて何をと思うが、そのストレートさは彼らしく、また相手を傷付ける結果となったのだとわかる。
「付き合う相手をもっと選ぶべきですヨ」
「……」
忠告すれば、返ってきたのはやはり沈黙。
「はい、終わり」
「ぃたっ」
無言への応酬に、ぶすくれる頬を覆ったガーゼをいささか乱暴にテープで止めてやる。
抗議するような視線など知ったことか。まったく。
いつか殺生沙汰にでもなりはしないかとハラハラするこちらの身にもなって欲しいものだ。
最後に平手を甘んじて受けるのが彼なりの誠意なのだとわかっているが、刃物でも持ち出された日には彼に避けられるのかと思ってしまう。
はぁ、と一つ息を吐いて、残った薬を片付けようと背中を向ければ、レイムさんまでもがため息を吐いてきた。
ぼそり。
ため息とともに、ともすれば聞き逃しそうな声がして。
「仕方ないだろう、本命が誰よりも美人で奔放なんだから」
え、と振り向けば、しまったとばかりに口を塞ぐレイムさん。
「…本命、なんて居たんですカ?」
問えば殴られていない方の頬までもが真っ赤に染まる。
なんだそうか。
似合わず顔でばかり相手を選んでいると思っていたが。
これは益々口出しするべき話ではなかったか。
だがそうとわかれば、一つだけ忠告してやろうとも思う。
「君がその人を諦めたのか、諦めたいのかは知らないけれど。似た人間なんて選んだところで結局別人なんだヨ」
誰も誰かの代わりにはならないのだ。
「真面目な君に、身代わりに後ろめたさを感じないなんて無理でしょう?」
誰かの代わりにと付き合った相手を傷付けることで君にまで傷付いて欲しくない。
淡々と告げれば、自分でも既に気付いてはいたのだろう彼が唇を噛む。
きっと、それでも諦めきれなかったのだろう想いを抱える彼に、これ以上深入りするつもりはないが。
噛み締めて赤くなった唇があまりに痛々しくて、駄目だよと伝える代わりに指を滑らせた。
息を飲むレイムさんのその泣きそうな表情に、ああ馬鹿な子ほど可愛いとはこういう事かなどと考える。
彼は本当に不器用で、真面目で。
そしてまだ若い。
彼とは外見こそもう大差なく(というか、むしろ身長は抜かれたのだが)忘れがちな自分の実年齢を思い出した。
「まあ、若いうちは思い切り悩みなさいな」
「わかった」
今回は駄目でもまたいい人が…と続けるはずの言葉は遮られ、どこか吹っ切れた様子のレイムさんが立ち上がった。

「覚悟してろよ!」

「ハ?」
指差しで叫ばれた一言に、何事かと聞き返す間も与えず乱暴に扉を開けて出ていくレイムさん。
ありゃ。
「何か、スイッチ押しちゃいましたかねェ」
その時の私には、これから自分が苦労することになるなど知る由もなく。
ただ、意外に頑固な彼の恋の行く末が、できることならば幸せな結末となることを祈るばかりだった。

 

もちろん、レイムさんの本命はブレイクさんです(笑)

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プロフィール
HN:
kao
性別:
非公開
職業:
秘書ときどき旅人
自己紹介:
PH・青祓・幽白・炎ミラ・その他ジャンルいろいろ。
長年燻っている想いからその時々の、萌えの欠片を集めました。
更新は自由気まま。リンクは同人サイトに限りフリーです。貼るも剥がすもご自由に★
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